農業は世界的に見ても、まだまだ未熟な成長産業であり、イノベーションの余地が多い業界です。

しかし、農業はICTの急速な発展により大きな変革期を迎えようとしています。

例えば、近年注目されつつある「アグリテック」も、これからの農業の発展に伴いさらに注目されていくことになるでしょう。

※アグリテックについてはこちらをどうぞ

そんな中、昨年高知県に最先端の次世代型施設が設置されました。

こちらがとても興味深いものだったため、今回紹介します。

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次世代施設園芸団地とは


(写真:https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1501/chosa02.html)

高知市から車で約1時間、広い面積を有する四万十町に、2016年5月20日「次世代施設園芸団地」が設置されました。

総事業費27億3,600万円、総面積4.3ha(東京ドーム約1個分)と、非常に大きな施設です。

高知県は施設園芸が盛んな県であり、全国的にも技術力は高いことで知られています。そのため、「平成25年度次世代施設園芸導入加速化支援事業」に高知県四万十町が選ばれ、この事業が進められてきました。さらに、高知県はトマトの栽培が盛んなため、「次世代施設園芸団地」ではトマトの栽培に限定しています。

ではこの施設の何が次世代なのか。それは、施設園芸先進国であるオランダの最先端技術を多く導入している点です。高知県は長年にわたってオランダとの技術交流を深めており、オランダのウェストラント市と友好園芸農業協定を結んでいます。この技術交流を通して得たオランダの技術を、「次世代施設園芸団地」は取り入れているのです。

次世代施設園芸団地の特徴


(写真:http://innoplex.org/archives/33399)

次世代施設園芸団地の特徴として、まず軒が高いことが挙げられます。一般的な園芸施設の高さが約3mであるのに対し、次世代施設園芸団地では約6mのハウスを採用しています。一般的な園芸施設の2倍の高さを採用することで、ハウス全体に満遍なく日光が行き渡らせることが可能になります。さらに温度・湿度の変化を少なくすることが可能になります

次の特徴としては、先述した通り農業大国オランダ式の最新鋭のシステムを多く導入していることです。特に「環境制御システム 」は素晴らしい成果を発揮しています。この「環境制御システム」は、ハウス内の中心部の高い場所に設置されています。センサーがハウス内の温度・湿度・CO2などの状況を測定し、数値化してオフィスにあるPCに送信します。このシステムにより、作物の成長を総合的にコントロールすることや、より高い収量も期待できるようになります。また、質の高いトマトを育てることも可能となり、トマトの良品率は90%を超えるようになっています。

また、移動も機械を使い、高いところでもハシゴを使わなくてもいいようにしています。これによって、より無駄な動きを減らし、生産性を高めることが可能となっています。

次世代施設園芸団地による農業の活性化

最先端の技術を導入した施設を作ることは、農業の生産性を上げることだけが目的ではありません。

これまでは、農業は「経験と勘」に頼り、新規就農者にとってはこれが大きな壁となってきました。しかし、次世代施設園芸団地のように農業とICTが融合した施設では、「経験と勘」は不要になります。これは、新規就農者を増やすことにつながり、農業業界の人手不足の解消につながることも期待できます。

さらに、高知県では次世代施設園芸団地に隣接した敷地に新規就農者の育成・先進技術の実証を目的として「農業担い手育成センター」を設置しました。

これにより、高知県内の新規就農者数が数年前まで年間100名台で推移していたが、新規就農者確保に向け取り組みを強化した結果、26年度は約260名を記録し、目に見える成果が出てきています。

これからの農業の代表例に

このように、地方には最先端の農業を行っている事業が多くあります。
特に高知県はさらにオランダとの交流を深めていき、技術を導入していくことで日本における農業先進県となり得るかもしれません。

そして、これからは農業とICTは融合していき、「経験と勘」に頼ることなく高い生産性を維持できるようになっていきます。

今回紹介した「次世代施設園芸団地」は、これからの農業の代表例です。
農業は衰退産業ではなく、成長の余地が多い成長産業ということも分かっていただけたでしょうか。

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