中山間地域とは、平野部の端から山間地の地域のことを指し、日本の約7割の国土面積を占めています。

しかし、中山間地域の人口は日本の人口の約8分の1程度しかなく、近年では特に過疎化が目立っています。

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中山間地域と農業の関係

この中山間地域ですが、農業にとって非常に重要な関係にあたります。というのも、日本の農業は、耕地面積および総農家数の約4割を中山間地域が占めており、国内食糧供給量を十分に確保するために必要な役割を担っているためです。

さらに、全国の農業産出額に占める中山間地域の割合は約4割であり、中山間地域では農業産出額の占める割合が高いことが分かります。

加えて、中山間地域における全国の第1次産業就業者数に占める割合は約4割なのに対し、第二次産業就業者数は約1割〜2割程度しかいません。このことから、中山間地域では、農業を始めとする第一次産業就業者の占める割合が非常に高いことが分かります。

中山間地域における農業の現状

日本の農業の多くが中山間地域で行われています。しかし、農業を生産する観点から見ると、農業条件は良いとは言えないのが現状です。

詳しく見ていきます。

耕地条件の不利性

中山間地域には山間地域も含まれるため、傾斜地が多く農業生産地の整備水準が低くなっています。

加えて、標高の高い場所に生産地があることも多く、日照時間や気象の影響を受けやすいです。そのため、各種農作物は平野部に比べて単位面積あたりの収量が低いのが現状です。

経営規模の零細性

中山間地域では、傾斜地が多く、まとまった耕地が少ないのが特徴です。

そのため、農業規模の拡大が難しく、零細規模農家が半数を占めています。

低い農家所得

耕地条件の不利性と経営規模の零細性、そして高齢化と農地面積の小ささから生じる機械化の限界とアクセス条件の悪さなどから、中山間地域では農業生産性が低いのが現状です。

そのため、農家所得が都市地域や平野部と比較して平均的に低くなってしまいます。

中山間地域の消滅の危機

過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者となり、社会的共同生活の維持が困難になっている集落のことを「限界集落」と言いますが、この限界集落は中山間地域に多く存在しています。

そのため中山間地域は、少子高齢化や都市への人口流出などにより、多くが消滅の危機に晒されています。

これにより、中山間地域では文化や技術の継承・インフラの整備・行事の開催など、人が生きていくうえでの機能が低下しつつあります。

農業分野では、管理されていない山林や耕作放棄地が増大しており、病害虫の発生や有害鳥獣による農作物への被害、景観の悪化など多くの問題が発生しています。

中山間地域の衰退が進行するということは、日本の農業の衰退が進行するということでもあるのです。

中山間地域のこれから

中山間地域において、過去に消滅した集落とこれから消滅する可能性がある集落は、日本全国に存在します。このままでは、食料を生産する場としての役割を担う中山間地域が、その役割を果たせなくなってくる可能性が生じてきます。

現行では、農山村関連振興法による中山間地域対策などが行われていますが、これだけで解決する問題ではありません。特に、若者の減少を食い止めていかない限り、中山間地域は衰退し続けていくでしょう。

そのため、集落営農を始めたり、新たな販路を拡大して所得を増加させるなどして、中山間地域の農業をより魅力的なものにしていく必要があります。

また、中山間地域は、不利な農業生産条件に置かれてはいますが、一方で地域によっては、冷涼な気象条件や標高差、良質な水資源などの自然条件を活かした特色ある農作目の栽培や、有機農業・減農薬農業など新しい生産方式の導入による高収益型農業により、地域活性化に取り組んでいる事例も多く見られます。

さらに、中山間地域は農業だけではなく、林業など他の一次産業も活発に行われています。

中山間地域といっても、やり方次第では魅力的で充実した人生を送ることは可能です。また、人手も全然足りていないので、一人一人の役割が大きくなってきます。

「中山間地域で新たな人生をスタートする」という選択肢も、考えてみてはいかがでしょうか。

 

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