農協(=農業協同組合,JA)は、長きにわたって日本の農業を支えてきた大規模組織です。

※詳しくはこちらの記事をどうぞ

農協はこれまでの日本の農業の発展には欠かせませんでしたし、これからも日本の農業にとって大きな影響を持つ組織であることは変わらないでしょう。

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JAの存在が日本の農業に害を与えているという主張

しかし、農協は批判の対象となることが多くなってきています。

こういう声を聞いたことがあるでしょうか。

「農協の存在が日本の農業に害を与えている」

現在の日本では少子高齢化もあって、第一次産業である農業は衰退しています。そんな中で、この衰退の原因を農協とする主張が増えてきているのが現状です。

例えば、「農協が農家の利益を搾取している。」といったことは昔から言われています。

他にも、
「農協が日本の農業の発展の邪魔をしている。」
「農協は農家をこき使っている。」
といったことを耳にすることもしばしばあります。

現状はどうなのか?

こういった批判があることは事実です。

しかし、現状はどうなのでしょうか?農家にとって、そして日本の農業にとって農協の存在は害なのでしょうか?

まず、農協の目的から見ていきます。農協の目的は、「農業生産力の増進及び農業者の経済的・社会的地位の向上」です。簡潔にいうと、「農家の生活を守り、向上させること」です。

この目的を果たすために農協は存在しているのであれば、農協は日本の農業の害とは言えないのではないか。

そう思いますよね。しかし、現状は少し違うようです。

例えば、農家は生産能力はあるけれどマネジメント力やマーケティング力は低い場合が多いです。そのため、農協が代わりに売っているというのが現状です。その立場を利用して、農協は農家から安く仕入れて利益を搾取しているケースが多発しているようです。

また、農協が農家に農薬や肥料などの資材をかなり高額に売っているケースもあるとかないとか…。

このように農協は組織にとっての利益を追求するあまり、目的に反した行動を取るどころか、農家や日本の農業にとって害を与える行動をしていることもあるのです。

こういったことが水面下であるため、「農協を日本から消してしまえ!」「害を与えるならば、淘汰されるべきだ!」といった批判の声が多くあがるようになってきているのです。

日本から農協がなくなるとどうなるのか

では、実際に農協が消滅したらどうなるのか?それも考えてみましょう。

まず、先述した通り農家は生産能力に長けていてもマーケティング能力やマネジメント能力に乏しい場合が多いです。その代わりに農協がマーケティングをしているのですが、農協がなくなれば農家自身で農作物を販売する必要が出てきます。最近では、農協の他にも民間企業が卸売をしたり、ECで販売するというケースが増えていますが、それでも大半は農協を通しているため、「せっかく作ったのに売る先がない」という農家が急増します。

また、農家は農業用資材を農協から仕入れているケースが多いため、ここでも仕入れ先を探す必要が出てきます。さらに、農協は資金貸出も行っているため、資金調達面でも農家は苦労することも出てくるかもしれません。

このように、農協がなくなれば今より苦労する農家が出てくる可能性があるため、必ずしも農協を消滅させることが最善策とはいえません。何より、農家の方が本当にそれを望んでいるかも分からないのが現状です。

農協と農家の関係はwin winである

実際に農協が農家に害を与えているケースはあります。それは事実です。

一方で、農協の存在があることで救われている農家がいることも事実です。

そうです、農協と農家の関係はwin winなんです。

なにより、農家には農協を利用しないという選択肢があります。今や農協に代わる新たな民間企業は多く存在しています。

そして、農協に対する発言権もあります。農協の意思決定者は農家なんです。

これから農業業界はICTの発展、そして急速なグローバル化によって大きな変革期を迎えます。それに伴い、新たな農業ビジネスも台頭し、農業業界はさらに加熱していくことは間違いありません。

そのため、日本における農協の役割は縮小していくことは避けられないと思います。

しかし、それでも農協の存在は大きいです。これまでも、そしてこれからも日本の農業と農協は切り離せない関係であることは変わりありません。

日本の農業の衰退の責任を全て農協に転嫁するよりも、これからの日本の農業の発展について建設的な議論が必要なのではないでしょうか。

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